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情報処理学会論文誌 デジタルプラクティスにSSHプロキシサーバに関する推薦論文が掲載されました

2021年10月発行の情報処理学会論文誌 デジタルプラクティス (Vol.2 No.4) に弊研究所の鶴田博文(@tsurubee3)と松本亮介(@matsumotory)が執筆した推薦論文が掲載されました。

論文はこちらで閲覧できます。

以下、著者により論文の内容を紹介します。

推薦論文:ユーザに変更を要求せずにシステム変化に追従可能なSSHプロキシサーバsshrの開発

第一著者の鶴田です。本論文は、2019年の藤村記念ベストプラクティス賞を授賞し、情報処理学会インターネットと運用技術(IOT)研究会からの推薦を受けて、デジタルプラクティスに推薦論文として掲載されました。

本論文では、サーバ管理に広く利用されているSSHにおいて、ユーザがサーバの構成やその変更を意識することなく透過的に目的のサーバにSSH接続ができる仕組みを実現するために、sshrというプロキシサーバを提案しました。sshrは、SSHプロキシサーバに対してシステム管理者が自由にフック関数を実装、組み込み可能なアーキテクチャを採用しており、これによりプロキシサーバの動作をプログラマブルに拡張することができます。sshrは第12回インターネットと運用技術シンポジウム(IOTS2019)にて提案を行いました。今回の論文は、デジタルプラクティスの趣旨に沿うように、より実践的な内容について書いています。具体的には、sshrをシステムに適用する際のシステム構成やフック関数の実装などを例を挙げながら詳しく説明しています。非常に実践的な内容になっているので、ご興味のある方はぜひ論文を読んでいただけますと幸いです。また、提案したsshrのコードはGitHubで公開しているので、IssueやPull requestなども大歓迎です。


共著のまつもとりーです。この研究は、鶴田さん(以降つるべーさん)がさくらインターネット研究所に入ってまず最初に論文化に取り組んだ研究です。当時は、このようなエンジニアとしての活動から生まれたプロダクトをどのように研究へと昇華させ、そのプロダクトの良さをブラッシュアップしながらも、エンジニアとしてある意味では直感的に良いと思った実装を研究に落とし込む最初の取り組みでした。

つるべーさんも、言語化をする中で、このプロダクトの価値ってなんだろうか?他と比べた良さってなんなのだろう?実際にプロダクションで今までになく便利に使えているのだからそこに良さはあるはず、とお互い信じて取り組んできました。時には論文化を諦めそうになることもありましたが、お互いに改めて議論しながら、研究報告や査読付きのシンポジウム、国際会議などを通じて、デジタルプラクティに採録されるほどの実践的な研究として昇華することができました。

この取り組みから、改めて自分自身も、エンジニアが課題に直面したときに作り上げるプロダクトは必ずこれまでにない価値や意義があり、それを言語化することでその価値を論文として永続化させ、さらにそのプロダクト自身の質を、自分たち、あるいは、後世の研究者やエンジニアと共に継続的に高めていけることを改めて確信しました。これがあって、つるべーさんも、引き続き素晴らしい研究開発を行っているため、我々にとってはとても思い入れのある論文となりましたので、ぜひ一度目を通して頂けると幸いです。

謝辞

本研究で提案したsshrの開発を進めるにあたり、多大なるご支援とご助言を賜りましたGMOペパボ株式会社のホスティング事業部の皆様をはじめ多くの方々に厚く感謝を申し上げます。

「エッジ・フォグコンピューティングの成り立ちとネットワークインフラのこれから」講演資料公開

こんにちは、さくらインターネット研究所の菊地です。

社外の勉強会(Infra Study Meetup #7)にてエッジコンピューティングについて講演させていただく機会がありました。その資料を公開いたします。

エッジコンピューティングというものがどうやって登場してきたか、また現在の業界各社での取り組み状況、エッジコンピューティングを作る際の技術や課題などについてまとめています。専門的深堀というよりは総合的俯瞰的な内容ですので(まさに俯瞰的と言っていいでしょう)、エッジコンピューティングよくわからないけど気になっている、という方にお勧めです。

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DICOMO2020にて研究所より2件の発表、活動功労賞を受賞しました

こんにちは、さくらインターネット研究所の菊地です。2020年6月24日から26日まで開催された、マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2020)シンポジウムにおいて、当研究所メンバーより以下2件発表いたしました。

  • 鶴田(@tsurubee3),アニーリングマシンを活用したエッジAIにおける生成モデルの学習効率化のためのアーキテクチャ
  • 菊地(@kikuzokikuzo),招待講演 クラウドをエッジに延伸せよ – エッジコンピューティング実現にむけたさくらインターネットでの取り組み –

また、当シンポジウムにて、松本直人が活動功労賞を受賞しました。

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「さくらインターネット最新の取り組み」講義資料公開

こんにちは、さくらインターネット研究所の菊地です。

この度、機会を頂き九州工業大学にて大学院の学生さんに講演させていただきました。「インターネット工学特論」という講義の1コマです。

さくらインターネットの取り組みについて自由に話してよいということでしたので、インターネットの成立から現在までの略歴に合わせてさくらとさくらのサービスの成長について説明する、というストーリーで資料を構成しました。また表題の通り、さくらでの最新の取り組みについても後半で簡単に触れております。ややオレオレ史観なところもありますが、それなりにわかりやすく作成できたかなとも思っております。

よろしければご覧ください。

資料のダウンロードはこちらからも可能です。

「プラットフォーム事業者としての今後のエッジコンピューティングのあり方について」というタイトルでパネル登壇しました

こんにちは、さくらインターネット研究所の菊地です。

2019/11/27(水)〜2019/11/29(金)に開催されたITRC Meet46にて、「プラットフォーム事業者としての今後のエッジコンピューティングのあり方について」というタイトルでパネルディスカッション(エッジコンピューティング環境を考慮した次世代IoTプラットフォームに関するパネル)に登壇してきました。

プラットフォーム事業者としての今後のエッジコンピューティングのあり方について
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データ活用に関するさくらインターネットの取組事例、発表資料公開

こんにちは、さくらインターネット研究所の菊地です。

さくらインターネット(および研究所)で実施中のデータ活用に関する取り組み、「Tellus(テルース)」と「データ流通実証実験」に関する紹介資料を公開いたします。この資料は、2019/09/12に開催される「官民データ活用共通プラットフォーム協議会(DPC)」の第4回事例研究会での講演資料です。

資料のダウンロードはこちらからも可能です。

コンテナ技術や研究者のキャリアに関する資料公開と研究進捗

さくらインターネット研究所の松本です。Twitter上では @matsumotory / まつもとりー として活動しています。

本エントリでは、わたしが2018年11月から2019年1月にかけて登壇した内容について簡単に紹介しつつ、利用した登壇資料をまとめて公開します。

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