こんにちは、さくらインターネット研究所の菊地です。2020年6月24日から26日まで開催された、マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2020)シンポジウムにおいて、当研究所メンバーより以下2件発表いたしました。
- 鶴田(@tsurubee3),アニーリングマシンを活用したエッジAIにおける生成モデルの学習効率化のためのアーキテクチャ
- 菊地(@kikuzokikuzo),招待講演 クラウドをエッジに延伸せよ – エッジコンピューティング実現にむけたさくらインターネットでの取り組み –
また、当シンポジウムにて、松本直人が活動功労賞を受賞しました。
発表内容をご紹介いたします。
アニーリングマシンを活用したエッジAIにおける生成モデルの学習効率化のためのアーキテクチャ
本発表では、画像・文章生成等の創造的タスクや異常検知などの幅広い応用性を持つ生成モデルをクラウドを介さずにエンドデバイス上で活用するためのアーキテクチャの提案しました。提案アーキテクチャでは、生成モデルの学習・推論に必要なサンプリング処理のアクセラレータとして、アニーリングマシンをデバイスの近傍に配置するアーキテクチャを採用しました。これにより、生成モデルの一つである制限ボルツマンマシン(RBM)を効率的に学習できること、およびアニーリングマシンをデバイスの近傍に配置することで、通信遅延の影響を抑え推論時間の高速化が期待できることを示しました。これからは、より実用的なシステムの構築を通じて提案するアーキテクチャの有用性を評価していきたいと考えています。
招待講演 クラウドをエッジに延伸せよ – エッジコンピューティング実現にむけたさくらインターネットでの取り組み –
本発表では、エッジコンピューティングをサービス(ビジネス)として実施するならばどのようなターゲッティングになりそうか、エッジコンピューティングの提供価値を分類しそれに沿ったサービス形態について考察した内容をお話しさせていただきました。
「やりたいことをできるに変える」さくらインターネットとしては、多くの人にこれまで以上にコンピューティングを恩恵を身近に感じていただけるように、エッジコンピューティング・分散コンピューティングのインフラを身近に配備できるような未来に近づければと考えています。
おわりに
さくらインターネット研究所ではこれからも、DICOMOのみならず様々な学会等を通じて研究成果を報告するとともに、それら活動を通じて学会、社会に貢献してまいります。