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SAKURA Internet Inc.

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さくらインターネット研究所に未踏プロダクトグループと研究開発グループを創設しました

こんにちは、主席研究員のまつもとりーです。

ここ2年間は、自分の研究を進めるのではなく、よりチームとしての成果を最大化するために、研究所の活動の意味づけをしたり組織設計を見直し働く環境や制度の整備、チームビルディングを行いながら研究所の文化醸成にも取り組んできました。2年前に様々な設計と組織への適用を行い、1年以上その取り組みを実際に実践しながら、フィードバックを受けながらブラッシュアップを行ってきました。その結果として、研究所も人が多くなってきましたし、今後も更に増えていくことが想定されます。また、取り組みの専門性も少しずつグルーピング化されてきており、常に全体で活動するのは難しくなってきました。

これまで、研究所や自分を含めて「研究開発とプロダクト開発の両輪を回すことで、相乗効果により成果のインパクトを高めていきたい」という考えで行動してきましたが、それを実際に行うためには、個人個人でそういう活動をするだけでは不十分で、組織として、制度として、そして、文化としてその考えが組織に根付いている必要があります。そのための各種取り組みが2年の実践を経て機能し始めましたので、次のステップとして、全体としての文化や雰囲気はそのままに、よりメンバー間の議論が活発に行われ、深い議論ができ、チーム内での信頼関係が深まるように、グループ化を実施しました。

それぞれ、新たに創設した「未踏プロダクトグループ」と「研究開発グループ」の目的は以下の通りです。自分たちチームが社会に対してなすべきことは何か、そのなすべき事を達成するために自分たちがどのような存在にならないといけないのか、そのために何を意識して行動するべきなのかをチームで認識を合わせ、同じ方向に進んでいくために、各チームで度重なる議論を重ねました。議論のベースにはドラッカーのMVVを採用しています。

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価値発見に焦点化した振り返りワークショップの意義と、その教育学的分析

さくらインターネット研究所に8月から所属している朝倉です。
他の研究員とは研究分野が異なり、教育学(中でも臨床教育学)の研究をしています。
当研究所のチーム作りにおいて重要なポイントである「コラボレーション」について、上級研究員の坪内さん( @yuuk1t )による記事「リモートワークによる孤立から結束へと向かうチームビルディング」が公開されましたが、筆者はこの記事で取り上げられている「コラボ会」の振り返りを企画・実施しました。
本記事では、コラボ会振り返りワークショップの意義や、コラボレーションとの関係性について教育学的視点からご紹介します。

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リモートワークによる孤立から結束へと向かうチームビルディング

さくらインターネット研究所の坪内(@yuuk1t)です。最近は、大学院の博士課程が3年目の後半に入り、大詰めを迎えています。

さくらインターネット研究所では、研究所メンバーが地理的に分散して仕事していることと、研究所メンバーの専門性と参画プロジェクトが多様であることの2点を理由に、メンバー同士が物理的にも情報的にも孤立しやすい傾向にあります。孤立を避けるためには、特別な工夫が必要であると考え、メンバー間の結束を高め、よりよいコラボレーションを生むための施策をこの半年ほど取り組んできました。そこで、この記事では、コラボレーションを促進するための会をつくり、その会で独自に定義したコラボレーションの構造を表現する階層を提示し、その階層の基底部分の「同じ場にいる」と「互いを知る」ことに着目した施策を紹介します。これらの取り組みが、リモートワーク時代のチームビルディングの参考になれば幸いです。

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チームの絆を深めるための総当り1on1の実施と1on1のときに気をつけていること

さくらインターネット研究所のまつもとりーです。

まずいきなりですが、最初にタイトルにあるように1on1と書いていますが、一般的に1on1というと、1on1をする側とされる側のようなイメージがあるようにも感じています。ですので、ここでいう1on1はあくまでお話する二人が対等でありたいという意図を込めて、研究所では例えば「研究相談会」などとして、する・されるのような立場があまりないようにしています。

いきなり脱線しましたが、ここから本題です。コロナ禍や日常的なリモートワークの影響の中、チームや組織でのコミュニケーションをどう改善するかという取り組みが各社沢山されてきていると思います。さくらインターネット研究所でも、夕方にみんなで集まって雑談したり、もくもく作業をするもくもく会をしたり、定期的な所謂1on1を設定したり、コロナの状況が一時改善したときは、たまにオフィスに集まってリアルにコミュニケーションをとったりしてきました。

また、チームの中でモチベーションが上がらない場合、自分の制御下で会話の場に入らず、コミュニケーションをとらない選択を簡単にできることから、どんどん気持ちが乗らない状況に陥っていくこともあります。そういった状況を避けるために、自分やメンバー間でそういう雰囲気を感じたら、それぞれが任意で会話をしたりしながら、チームのモチベーションを維持してきました。

一方で、それらの取り組みでなかなか改善できていなかった課題を整理してみると、

  1. オープンな場では話にくいような悩みについて相談しにくい
  2. 同僚、あるいは、ある種の仲間として、対等に信頼関係のあるなかでクローズドにざっくばらんに話ができない
  3. 1や2の話は自分の問題であるように矮小化して考えることがあり、同僚に気を使って誘いにくい

といったような状況がありえます。特に、3のような状況が複数のメンバーで生じた場合、任意に気づいた人が声をかけるといったことも起きにくくなり、チーム全体として少しずつストレスを抱え、弱まっていってしましいます。相談や悩みというのは、何でも上司と話たいわけではなく、当然同じ目線や同じ立場で話がしたいこともあるからです。

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さくらインターネット研究所で考える企業研究所の活動と価値や意義について

さくらインターネット研究所上級研究員のまつもとりー (@matsumotory) です。

去年度の後半から今年度前半にかけて、さくらインターネット研究所のメンバーの活動や貢献がとても素晴らしいなと思えてきたので、それをより自信を持って取り組んでいけるように、僕自身で企業研究所の活動や価値を考えてまとめたり、カンファレンスで発表したりしてきました。発表してきたスライドも充実してきましたので、本エントリで簡単に紹介していきたいと思います

InfraStudyという勉強会で発表した内容

まずは、研究所の活動がどういうもので、それぞれが会社にとってどう意義があるかについて、InfraStudyという多くのエンジニアが集まるコミュニティの勉強会で紹介しました。また、これらはそのまま社会にとっても価値のある活動にもなっていきます。企業で給料をもらって研究となると、表面的には自由に研究している事自体がどう会社への貢献になっているのか、ということについて疑問に思ったり、活動に自信を持てなくなったりすることで、それは研究者にとっても会社にとってもデメリットでしかないので、それをまずはちゃんと言語化しようと取り組み始めたきっかけの資料です

こういう内容をエンジニアにも理解していただくことで、相互に価値交換をしたり、共同で課題に取り組むことによって、より素早く、根本的な解決を行えるようなったり、新しいテクノロジーで新しい価値を届けるプロダクトを作っていけると良いと考えています

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