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IOTS2021でゲーム理論のシャープレイ値を用いたシステム異常の原因診断手法について発表しました

さくらインターネット研究所の鶴田(@tsurubee3)です。2021年11月25〜26日にオンラインで開催された第14回 インターネットと運用技術シンポジウム(IOTS 2021)にて、システムの異常の原因診断に関する発表を行ったので、スライドとともに内容を紹介します。

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さくらインターネット研究所で考える企業研究所の活動と価値や意義について

さくらインターネット研究所上級研究員のまつもとりー (@matsumotory) です。

去年度の後半から今年度前半にかけて、さくらインターネット研究所のメンバーの活動や貢献がとても素晴らしいなと思えてきたので、それをより自信を持って取り組んでいけるように、僕自身で企業研究所の活動や価値を考えてまとめたり、カンファレンスで発表したりしてきました。発表してきたスライドも充実してきましたので、本エントリで簡単に紹介していきたいと思います

InfraStudyという勉強会で発表した内容

まずは、研究所の活動がどういうもので、それぞれが会社にとってどう意義があるかについて、InfraStudyという多くのエンジニアが集まるコミュニティの勉強会で紹介しました。また、これらはそのまま社会にとっても価値のある活動にもなっていきます。企業で給料をもらって研究となると、表面的には自由に研究している事自体がどう会社への貢献になっているのか、ということについて疑問に思ったり、活動に自信を持てなくなったりすることで、それは研究者にとっても会社にとってもデメリットでしかないので、それをまずはちゃんと言語化しようと取り組み始めたきっかけの資料です

こういう内容をエンジニアにも理解していただくことで、相互に価値交換をしたり、共同で課題に取り組むことによって、より素早く、根本的な解決を行えるようなったり、新しいテクノロジーで新しい価値を届けるプロダクトを作っていけると良いと考えています

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情報処理学会論文誌 デジタルプラクティスにSSHプロキシサーバに関する推薦論文が掲載されました

2021年10月発行の情報処理学会論文誌 デジタルプラクティス (Vol.2 No.4) に弊研究所の鶴田博文(@tsurubee3)と松本亮介(@matsumotory)が執筆した推薦論文が掲載されました。

論文はこちらで閲覧できます。

以下、著者により論文の内容を紹介します。

推薦論文:ユーザに変更を要求せずにシステム変化に追従可能なSSHプロキシサーバsshrの開発

第一著者の鶴田です。本論文は、2019年の藤村記念ベストプラクティス賞を授賞し、情報処理学会インターネットと運用技術(IOT)研究会からの推薦を受けて、デジタルプラクティスに推薦論文として掲載されました。

本論文では、サーバ管理に広く利用されているSSHにおいて、ユーザがサーバの構成やその変更を意識することなく透過的に目的のサーバにSSH接続ができる仕組みを実現するために、sshrというプロキシサーバを提案しました。sshrは、SSHプロキシサーバに対してシステム管理者が自由にフック関数を実装、組み込み可能なアーキテクチャを採用しており、これによりプロキシサーバの動作をプログラマブルに拡張することができます。sshrは第12回インターネットと運用技術シンポジウム(IOTS2019)にて提案を行いました。今回の論文は、デジタルプラクティスの趣旨に沿うように、より実践的な内容について書いています。具体的には、sshrをシステムに適用する際のシステム構成やフック関数の実装などを例を挙げながら詳しく説明しています。非常に実践的な内容になっているので、ご興味のある方はぜひ論文を読んでいただけますと幸いです。また、提案したsshrのコードはGitHubで公開しているので、IssueやPull requestなども大歓迎です。


共著のまつもとりーです。この研究は、鶴田さん(以降つるべーさん)がさくらインターネット研究所に入ってまず最初に論文化に取り組んだ研究です。当時は、このようなエンジニアとしての活動から生まれたプロダクトをどのように研究へと昇華させ、そのプロダクトの良さをブラッシュアップしながらも、エンジニアとしてある意味では直感的に良いと思った実装を研究に落とし込む最初の取り組みでした。

つるべーさんも、言語化をする中で、このプロダクトの価値ってなんだろうか?他と比べた良さってなんなのだろう?実際にプロダクションで今までになく便利に使えているのだからそこに良さはあるはず、とお互い信じて取り組んできました。時には論文化を諦めそうになることもありましたが、お互いに改めて議論しながら、研究報告や査読付きのシンポジウム、国際会議などを通じて、デジタルプラクティに採録されるほどの実践的な研究として昇華することができました。

この取り組みから、改めて自分自身も、エンジニアが課題に直面したときに作り上げるプロダクトは必ずこれまでにない価値や意義があり、それを言語化することでその価値を論文として永続化させ、さらにそのプロダクト自身の質を、自分たち、あるいは、後世の研究者やエンジニアと共に継続的に高めていけることを改めて確信しました。これがあって、つるべーさんも、引き続き素晴らしい研究開発を行っているため、我々にとってはとても思い入れのある論文となりましたので、ぜひ一度目を通して頂けると幸いです。

謝辞

本研究で提案したsshrの開発を進めるにあたり、多大なるご支援とご助言を賜りましたGMOペパボ株式会社のホスティング事業部の皆様をはじめ多くの方々に厚く感謝を申し上げます。

「誰でもできるスマートシティ向けOSS : FIWAREのはじめかた」講演資料公開

こんにちは、さくらインターネット研究所の菊地です。

先日2021/09/18に開催された、オープンソースカンファレンス2021広島onlineにて、スマートシティ向けOSSのFIWAREについての講演をさせていただきました。その資料を公開いたします。

都市OSとも言われるスマートシティ向けOSS、FIWAREですが、名前は聞いたことあるけどよく知らない、という方が多いのではないでしょうか。研究所(菊地)では、研究テーマとしてデータ流通およびFIWAREの調査・研究に継続的に取り組んでおります。

入門向けのわかりやすい資料となっておりますので、ちょっとでもご興味持っていただけましたらご参照頂ければ幸いです。

「エッジ・フォグコンピューティングの成り立ちとネットワークインフラのこれから」講演資料公開

こんにちは、さくらインターネット研究所の菊地です。

社外の勉強会(Infra Study Meetup #7)にてエッジコンピューティングについて講演させていただく機会がありました。その資料を公開いたします。

エッジコンピューティングというものがどうやって登場してきたか、また現在の業界各社での取り組み状況、エッジコンピューティングを作る際の技術や課題などについてまとめています。専門的深堀というよりは総合的俯瞰的な内容ですので(まさに俯瞰的と言っていいでしょう)、エッジコンピューティングよくわからないけど気になっている、という方にお勧めです。

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コロナ禍に端を発したオフィス見直しに関する一考察

こんにちは、さくらインターネット研究所、東京支社勤務の菊地です。

さくらインターネットは、リモート前提の働き方をより一層推進していく方針から、この度東京オフィスを縮小することになりました。それを受けて資料をまとめましたので参考までに公開いたします。

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DICOMO2020にて研究所より2件の発表、活動功労賞を受賞しました

こんにちは、さくらインターネット研究所の菊地です。2020年6月24日から26日まで開催された、マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2020)シンポジウムにおいて、当研究所メンバーより以下2件発表いたしました。

  • 鶴田(@tsurubee3),アニーリングマシンを活用したエッジAIにおける生成モデルの学習効率化のためのアーキテクチャ
  • 菊地(@kikuzokikuzo),招待講演 クラウドをエッジに延伸せよ – エッジコンピューティング実現にむけたさくらインターネットでの取り組み –

また、当シンポジウムにて、松本直人が活動功労賞を受賞しました。

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