当ブログをご覧の皆様こんにちは。さくらインターネット研究所の大久保です。
前回のエントリにてIRS22で発表したIPv4枯渇対策についてご紹介しましたが、もう一つ、ライトニングトークとしてルータのFIB書き換え動作についての発表も行いましたので、こちらのご紹介をしたいと思います。
インターネットは数多くのルータによって接続されており、ルータにはパケットを高速転送できるハードウェアモジュールが搭載されています。その中にFIB(Forwarding Information Base)と呼ばれる、最適化された経路情報を格納するメモリが存在し、ルータはその情報を参照してパケットを転送しています。
2010/9/14現在、インターネットのフルルート(全経路)は約33万経路あり、バックボーンのルータではそれら全てをFIBに格納しています。もし、回線障害などが発生した場合、FIB内の経路情報を書き換え、バックアップ経路にトラフィックを迂回する必要がありますが、案外時間がかかります。FIBの書き換え時間は、そのまま回線障害発生時の迂回性能に影響しますので、バックボーンの品質を左右する大きな指標となります。
そこで、これまで弊社バックボーンで主に利用してきたルータ、Brocade社製RX4と、今後導入を予定している比較的新しい機種であるJuniper社製MX480の経路切り替わり時間の比較測定を行ってみました。
発表資料を以下に置いておりますので、詳細はこちらをご覧いただければと思いますが、RX4よりもMX480の方が1.5〜2倍程度高速に切り替わることが確認できました。また、FIBの反映とBGPメッセージ送受信タイミングの関連性について、2機種間で若干動作の違いが見受けられました。
▽ 発表資料
ルータのFIB書き換え動作について 〜Brocade RX4とJuniper MX480の比較〜
最後に、今回の実験を行うにあたり、篠宮さん、東工大さんにご協力をいただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。