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DICOMO2019で研究組織設計、Fogコンピューティング、ネットワーク依存関係追跡の発表をしました

さくらインターネット研究所の坪内(@yuuk1t)です。2019年7月3日~5日までの3日間にわたって、福島県磐梯熱海温泉でマルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2019)シンポジウムが開催されました。当シンポジウムにて、さくらインターネット研究所から次の3件の発表を行いましたので、各発表について論文とスライドと共に内容を紹介します。

  • 松本(@matsumotory), 招待講演 超個体型データセンターOSを目指したさくらインターネット研究所の取り組みと未来を見据えた研究組織設計
  • 菊地(@kikuzokikuzo), ノード間通信の優位性評価を目的としたFogコンピューティングテストベッドの構築に関する一検討
  • 坪内(@yuuk1t), 超個体型データセンターを目指したネットワークサービス間依存関係の自動追跡の構想

招待講演 超個体型データセンターOSを目指したさくらインターネット研究所の取り組みと未来を見据えた研究組織設計

松本(@matsumotory)による招待講演です。本発表では、さくらインターネット研究所がなぜコンセプトやビジョンを再定義したのか、その中でどのようにインターネットのプラットフォームを支える新しい技術について研究員がどのように取り組んでいるか、について紹介しました。特に、企業の研究所としての取り組み方や研究の進め方に対するチーム設計について重点的にお話しました。発表野中でも述べたとおり、随分と研究所としても良い体制になってきたと個人的に思っておりますので、次はどんどん世界に向けて実績を出しつつ、社会や会社に研究成果を還元していきたいと思います。

スライド

ノード間通信の優位性評価を目的としたFogコンピューティングテストベッドの構築に関する一検討

菊地(@kikuzokikuzo)による研究発表です。本発表では、ノード間通信の優位性の評価を目的に、さくらインターネットのクラウド環境を利用してテストベッドを構築した上で、実際に動かした際に生じる課題や性能評価について紹介しました。実際に動かしてみると、ファイアーウォールを経由する際に生じる扱いにくさや、構築時の二重管理の問題など、実際にやってみないとわからないような課題が浮き彫りになりました。また、Edge・Fogコンピューティングについて、現状、様々な観点からの提案がありますが、さくらインターネット研究所としてはクラウド延伸型のEdgeコンピューティングという定義を明らかにした上でその観点から研究開発を進めることについて言及しました。さらに、Edgeコンピューティングの種類について改めて整理して分類を再定義したことについても、聴衆からポジティブな評価を頂けました。

研究会予稿

スライド

超個体型データセンターを目指したネットワークサービス間依存関係の自動追跡の構想

坪内(@yuuk1t)による研究発表です。研究所のコンセプトである超個体型データセンターを目指す上で,より大規模化かつ複雑化していく分散システム内の依存関係をシステム管理者が把握できなくなっていくだろうと考えています.その結果,システムを変更するときに変更の影響範囲が分からず,調査に時間を要するか,そもそも変更しないという選択をしてしまいます.そこで,プロセス間の依存関係をいかにして自動で追跡するかが重要になってきます.本発表では,広く利用されるTCP/UDP通信に着目し,エンドツーエンドの両端の接続をOS上で検出し,網羅的に接続情報を検出する基盤を提案しました.

研究会予稿

スライド

まとめ

DICOMO2019では、さくらインターネット研究所から3名発表しました。DICOMO2019は、情報処理学会のうち多くの研究会からのセッションが催されたため、IoTやHCIなど、普段はあまり知ることのなかった、人々の身近にコンピューティングを浸透させるような多様な分野の研究を知るきっかけになりました。さくらインターネット研究所のビジョンである超個体型データセンターは、あらゆるデバイスや場所にデータセンター的な機能を溶け込ませ、人々の身近にコンピューティングパワーを提供することを目指しているため、様々なコンピューティングのあり方を知り、議論していくことが大事であると改めて感じました。