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Hosting Casual Talks #5でコンテナランタイムや分散クエリキャッシングの発表をしました

さくらインターネット研究所の坪内 (@yuuk1t)です。2019年3月22日にさくらインターネット福岡オフィスにて開催されたHosting Casual Talks #5にて、さくらインターネット研究所から発表した3件の発表を紹介します。当日の様子はTwitterのハッシュタグ #hostingcasualで眺めることができます。

Podとコンテナランタイムのアーキテクチャ

松本(@matsumotory)が、コンテナランタイムの分類と、Podとコンテナランタイムのアーキテクチャについて発表しました。発表では、CRIランタイムとOCIランタイムの分類から始まり、gVisor、Nable-Containers、Firecracker、Kata-Containersなどの各種OCIランタイムがソースコードレベルでどのようにしてPodを実装しているのかを紹介しました。CRIランタイムがPodをコントロールし、実際のPodの起動は、OCIランタイムにバイパスできるようになっていることがわかりました。

OCIランタイム比較のためにやっていることあれこれ

宮下(@gosukenator)が、コンテナの各種OCIランタイムを比較検証するための環境作成や計測中の試行錯誤について発表しました。runc、gVisor、Kata Containers、Nabla Containers、Firecrackerの各種OCIランタイムに対して、Nabla ContainersやKata Containersではバイナリビルドにハマったり、ランタイムコマンドの直接実行またはctrコマンドの直接実行では計測できなかったためにdockerコマンドで計測するなど、試行錯誤を繰り返しました。検証結果そのものは、松本の「超個体型データセンターOSとOCIランタイム」のスライドに記載しています。

超個体的DBクエリキャッシング構想

坪内(@yuuk1t)が、超個体型データセンターを目指した、分散協調クエリリザルトキャッシングの構想を発表しました。エッジコンピューティングにおいて、エッジ間でキャッシュデータを共有して強い一貫性をもって読み書きしようとすると、キャッシュの同期待ちにより性能が低下します。そこで、不調なエッジに全体のスループットが引きづられないように、不調なエッジを検出したらトランザクション内で不調なエッジを外部から停止させて、一貫性と性能のトレードオフを解決する手法を提案しました。停止させたエッジのキャッシュは同期していない状態になりますので、バックグラウンドで停止させたエッジのキャッシュを破棄して、近傍からキャッシュを転送し復旧させることを考えています。今後は、この手法の実装と評価を進めていきます。

まとめ

Hosting Casual Talks #5ではさくらインターネット研究所から3件の発表を行いました。今回もホスティング業界で活躍するそうそうたるエンジニアの皆様が揃った会となり、レベルの高い発表と活発な質疑応答が行われました。今後もホスティング・クラウドコンピューティングの技術を盛り上げていくために、イベントを開催し、アウトプットにつなげていきたいと思います。