公的研究資金等の不正への取組に関する研究所としての方針

さくらインターネット研究所(以下、「研究所」という。)は、その一部において公的研究資金を獲得して研究活動を実施する機関であることから、研究活動を通じ研究成果を会社と社会に還元するとともに、公的研究資金の使用にあたっては、その効果的、効率的かつ適切な使用が求められている。

研究所は、公的研究資金の適正執行の確保、及び、文部科学省の「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」(以下、「ガイドライン」という。)に対する対応のため、以下の取組を行うものとする。

1. 機関内の責任体制の明確化

  1. 公的研究資金等の適切な運営・管理を確保するため「最高管理責任者」及び「統括管理責任者」を置く。
  2. 「最高管理責任者」は、さくらインターネット全体を総括し、公的研究資金等の運営・管理について最終責任を負う者とし、社長がその任にあたる。また、「統括管理責任者」は、「最高管理責任者」を補佐し、公的研究資金等の運営・管理について実質的な責任と権限を持つ者とし、研究所所長がその任にあたる。
  3. 公的研究資金等の運営・管理に関する業務、ガイドラインが求める公的研究資金等の適正執行のための教育やモニタリング等、の具体策の実行については、関連部署の協力のもと、「運営・管理責任部署」として、研究所グループリーダーがその責任と権限のもとその任にあたる。

2. 適正な運営・管理の基盤となる環境の整備

  1. 関係者の意識向上
    1. 2026年2月、研究所は「さくらインターネット研究所 行動規範」を策定し公表した。この行動規範は、研究所で働くすべての人の「責任ある行動」に焦点を当て、その使命と責任を認識し歩むべき指針として宣言しているものである。
    2. 研究所員に対するコンプライアンス意識の向上や公的研究資金等の経費使用ルール等を浸透させるため、「行動規範」「研究倫理」等をカリキュラムとした各種研修及びe-ラーニング、並びに公的研究資金等の事務手続き及び経費使用ルール等に関する説明会を実施する。また、カリキュラムの見直し、参加対象者の義務付け及び誓約書等の徴収等により、これらの実効性を高めるための措置を講ずる。
    3. 公的研究資金等の配分機関による確定検査、運営・管理責任部署による自主点検及びe-ラーニングによる理解度テスト等を通じ、研究所員の公的研究資金等の使用ルール等の浸透度の把握に努める。また、確定検査等の結果を踏まえ、浸透が浅いと判断される研究部ループ等については、研究所員説明会等への参加を義務付けるほか、個別説明会を開催する等の措置を講ずる。
  2. ルールの明確化・統一化
    1. 研究者等の視点にたったわかりやすい構成・表現等でマニュアルを作成し、随時見直しを図る。作成したマニュアル等は、社内ドキュメントや研究所員説明会等を通じ、研究所員に周知する。
  3. 職務権限の明確化
    1. 不正使用の発生要因とされる物品等調達及び旅費に関する事務処理については、それぞれ社内業務システムに基づき処理が行われ、当該処理フロー上で担当者が行うべき業務及びその責任が明確化されており、担当者はその責任を自覚のもと、業務の遂行にあたるものとする。
  4. 告発等取扱い、調査及び懲戒に関する規程の整備及び運用の透明化
    1. 通報制度

      内外から公的研究資金等の不正使用に係る告発等は、クラウド事業本部カスタマーリライアビリティ部もしくはそれに相当する部門が通報制度に基づき受付部署として対応する。

    2. 連絡体制

      公的研究資金等の不正使用等が発覚した場合、社長(最高管理責任者)、運営統括責任者(研究所所長)等、組織内幹部及び関連部署、並びに監督機関等に対し、迅速かつ正確な情報が伝わるよう連絡体制を確立する。

    3. 調査及び懲戒手続
      1. 不正に係る調査並びに懲戒手続等については、「さくらインターネット株式会社における研究活動上の不正行為の防止および対応に関する規定」及び「賞罰委員会規程」等を定め、運用してきている。
      2. 内外からの告発等により顕在化した公的研究資金等の不正使用等については、調査委員会のもと、運営・管理責任部署を含め関連部署が連携し、事実確認のための情報収集、事情聴取等の調査を実施する。

        また、不正使用が明らかとなった場合には、関連書規定に基づき懲戒手続を経て、研究所員等に対する懲戒処分等を厳正に行うとともに、その内容を対外的に公表することとする。

3. 不正を発生させる要因の把握と不正防止計画の策定・実施

内部監査室による内部監査及び運営・管理責任部署による自主点検を通じ、公的研究資金等の不正使用が発生する要因等の把握に努めるとともに、運営・管理責任部署が「防止計画推進部署」として、関連部署と連携しその対応策の検討や不正使用防止のための措置等を「不正防止計画」として策定し、実施する。

また、最高管理責任者は、運営・管理責任部署からの不正防止計画の実施状況等の報告を受け必要な措置を講じる事項があると認めるときは、同部署に対して、指示を行うものとする。

4. 研究費の適正な運営・管理活動

  1. 予算の執行管理

    公的研究資金等の執行は、研究課題毎に設定される予算コードに基づき、業務システムを用いて物品、旅費等の処理を行うため、随時、予算執行状況の把握を可能としている。コーポレート本部経理部及び研究実施部門等においては予算執行状況の把握に努め、研究実施部門等は、予算執行の遅延等が懸念される場合には、担当の研究者に対し、注意喚起等の指導を行うものとする。
    また、運営・管理責任部署は、公的研究資金等について計画的な予算執行が行われるようマニュアル等に明示するとともに、研究所員説明会等を通じ、周知徹底を図るものとする。

  2. 業者との癒着

    物品等調達における業者との癒着については、研究実施部門等の調達請求時点におけるチェックポイント、また運営・管理責任部署による自主点検項目として位置付ける等により、疑わしい取引の把握に努め、関連部署と連携し未然の防止に努めるものとする。また、研究所と取引する業者から、不正取引に関与しない旨の誓約書を求めるものとする。

  3. 物品等調達及び旅費に係る牽制機能
    1. 旅費

      出張については「出張ワークフロー」により、また出張旅費については「経費精算」システムにより管理する。出張及び出張旅費等について不適切な処理が懸念される場合には、その確認または必要な指導等を行うものとする。

    2. 物品等調達

      物品等の調達請求については、請求者以外のチェックを機能させるため、業務システムの処理フロー上、所属上長による承認が必要とされている。請求者及び業務システム上における承認者は、調達請求時におけるチェックポイント等に留意し、請求手続きまたは承認を行うものとする。

    3. 業務処理状況の確認

      旅費及び物品等調達については、その請求から支払等各段階における業務処理状況の確認を行うとともに、複数のものによるクロスチェックを機能させる等により、予算の適正な執行に努めるものとする。

5. 情報発信・共有化の推進

  1. 相談窓口

    内外からの公的研究資金等に係る相談は、運営・管理責任部署が窓口として対応する。

  2. ガイドラインに対する取組の公表

    ガイドラインに対する取組については、公的研究資金の配分を受ける研究機関として対外的な説明責任等の観点から、ホームページにより公開する。

6. モニタリングの在り方

  1. モニタリング体制

    社長直下の組織として、業務執行、財務会計状況などさくらインターネット全般の内部監査を監事監査と連携して行う内部監査室を設置している。内部監査は「業務の有効性及び効率性」、「事業活動に係わる法令等の遵守」、「資産の保全」、「財務報告書等の信頼性」の実現のために、各業務が適切かつ効率的に機能しているかといった観点からの監査及びリスク・アプローチ監査を実施し、内部監査の充実に努めるものとする。

  2. 組織的連携

    内部監査室及び運営・管理責任部署は、公的研究資金の適正執行の確保のため、内部監査結果及びその対応等についての情報共有を図る等組織的な連携強化に努め、モニタリング機能の充実を図る。

2026年2月制定