FGNエンジニアMeetup vol.3でキャリアの話や材料工学・機械学習を活かした今後の研究について発表しました

さくらインターネット研究所の鶴田(@tsurubee3)です。

2019年10月1日にFukuoka Growth Nextで開催されたFGNエンジニアMeetup vol.3にて、さくらインターネット研究所から1件の発表を行いましたので、スライドと共に内容を紹介します。

「Connecting The Dots」しよう!〜情報システムの未解決問題を材料工学,機械学習,量子コンピュータで解く〜

本発表の前半では、過去の経験や知識を活かしながら仕事をしていくために重要な「Connecting The Dots」という考え方を紹介しました。「Connecting The Dots」とは、スティーブ・ジョブズ氏が2005年にスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチの中の言葉です。要約すると「先を見通して点をつなぐことはできない。過去を振り返えることでしか点をつなぐことはできない。だから、将来つながると信じて点を打ち続けよう」といった内容です。鶴田はこれまで、材料工学の研究、消防士、機械学習エンジニア、インフラエンジニアなど様々な仕事に取り組んできた経験があり、取り組んでは辞めてを繰り返してきたことに対して強い劣等感を持っていましたが、「Connecting The Dots」という言葉を知り、全てをつなぎ合わせて強みにしていきたいと思い始めました。そして、学生時代に学んでいた材料工学と、ここ数年一番力を入れて学んでいた機械学習が、「量子アニーリング」によりつながったという話をしました。量子アニーリングは組み合わせ最適化問題の汎用的な解法として注目を集めている手法ですが、その原理は材料工学と深いつながりがあります。このように自分にしか見えないつながりが見えてくると、自分がそれに取り組む意味、すなわち内発的な動機付けが自然に行うことができ、情熱を持って取り組むことができるのではないかと考えています。

本発表の後半では、さくらインターネット研究所で今後取り組んでいきたい研究内容について紹介しました。私にとっての「Connecting The Dots」であった量子コンピュータや量子アニーリングを使って、情報システムの動的に変化する状況において、高い性能を維持しながら継続的に構成を最適化していく仕組みを実現したいと考えています。これから、過去の行動や経験から得られた点をつなぎ合わせていくことで、自分にしかできない研究に取り組んでいきたいです。

スライド

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まとめ

今回の発表では、これまでのキャリアの話から、それらを最大限に活かすために重要な考え方について、最後に今後の研究の構想についてお話しました。発表後も多くの質問をいただき、大変有意義な時間を過ごすことができました。これから材料工学や機械学習等の知識や経験を活かして研究活動を進めていきます。

著者

鶴田 博文
鶴田 博文
研究員

2019年8月入社。創薬、材料科学、システム運用等の分野における機械学習・人工知能(AI)技術の研究を担当。

学生時代は材料工学を専攻し、高分子材料の物性に関する研究に従事。2012年9月に修士課程を早期修了。2016年11月にIT業界に飛び込み、機械学習エンジニア、インフラエンジニアを経て、現職に至る。AI創薬のためのデータセット構築に関する主著論文が、AI分野で世界最高峰の国際会議であるNeurIPS(Neural Information Processing Systems)2023および2024のDatasets and Benchmarks Trackに2年連続採択。