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情報処理学会第81回全国大会で異常検知やワークライフバランスについて発表しました

さくらインターネット研究所の坪内(@yuuk1t)です。3月14日から16日の3日間に渡り、福岡大学 七隈キャンパスにて開催された情報処理学会第81回全国大会にて、さくらインターネット研究所から2件の発表を行いましたので、それぞれの発表者が論文とスライドと共に内容を紹介します。

疎構造学習およびグラフ畳み込みニューラルネットワーク による異常検知

熊谷(@kumagallium)が、グラフ畳み込みニューラルネットワークによる異常検知を侵入検知システムへ応用した研究を発表しました。本研究では、複数の要素とそれらの関係性を直感的に理解できるグラフ構造でトラフィックを表現することに着目し、定量的な数値に基づいた要因の可視化によって検知結果の説明ができる機械学習手法の提案を目的としています。本発表におけるグラフ構造は、ノードをトラフィックのフィールド情報(IPやプロトコル情報、フラグやパケットサイズ)、エッジを各フィールド情報間の時系列的挙動の相関関係と定義しました。そして、このグラフ構造化したトラフィックをグラフ畳み込みニューラルネットワーク(GCNN)によって学習することで、高精度な攻撃の検知ができるだけでなく、その攻撃の要因を部分グラフの可視化によって説明することができることを紹介しました。

ディープライフ

松本(@matsumotory)が「来たれ!ワークライフバランス伝道師」セッションにて、結婚したり子どもが生まれると、研究開発に使える自由な時間が減る中で、時間単位のスキルをいかに成長にさせるかついて発表しました。普通は研究開発のための時間をいかに増やすかを考えるところです。しかし、逆転の発想で、家族との時間に没頭することにより、隙間の空いた時間では適度な負荷がかかり、集中力を意識的に高めやすくなるため、時間単位のスキルを継続的に高めていける手法を実践しました。その結果、家族との時間では仕事のことを考えなくてよくなり、充実した時間を過ごせるようになりました。

8件の発表があったセッションの中で研究者賞を受賞したときの様子

まとめ

情報処理学会第81回全国大会では、さくらインターネット研究所から研究発表とイベント企画発表の2件の発表を行いました。「ディープライフ」という発表タイトルは、研究所メンバー同士での雑談をきっかけに、カル・ニューポート著「大事なことに集中する」で紹介されている「ディープワーク」という概念から連想したものになります。今後も、研究所内での活発な議論により、各自のアイデアから意図的に創発を起こし、アウトプットに結びつけていきたいと思います。