SAKURA Internet Inc.

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DICOMO2019で研究組織設計、Fogコンピューティング、ネットワーク依存関係追跡の発表をしました

さくらインターネット研究所の坪内(@yuuk1t)です。2019年7月3日~5日までの3日間にわたって、福島県磐梯熱海温泉でマルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2019)シンポジウムが開催されました。当シンポジウムにて、さくらインターネット研究所から次の3件の発表を行いましたので、各発表について論文とスライドと共に内容を紹介します。

  • 松本(@matsumotory), 招待講演 超個体型データセンターOSを目指したさくらインターネット研究所の取り組みと未来を見据えた研究組織設計
  • 菊地(@kikuzokikuzo), ノード間通信の優位性評価を目的としたFogコンピューティングテストベッドの構築に関する一検討
  • 坪内(@yuuk1t), 超個体型データセンターを目指したネットワークサービス間依存関係の自動追跡の構想
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IEEE CS Flagship International Conference COMPSAC 2019 登壇・参加報告

2019年の7月14日から18日まで5日間にわたり、アメリカのミルウォーキーで開催されたIEEE Computer Society Flagship International Conference COMPSAC 2019に弊研究所の松本(まつもとりー)と坪内(ゆううき)が登壇・参加してきました。また、松本はペパボ研究所の客員研究員としても参加し、参加費や旅費等はペパボ研究所からサポート頂きました。ありがとうございました。

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さくらインターネットにおけるアニーリングシステム評価の取り組みのご紹介、発表資料公開

こんにちは、さくらインターネット研究所の菊地です。

さくらインターネット研究所で実施中のアニーリングシステム評価についての資料を公開いたします。この資料は、2019/08/30に開催される「CMOSアニーリングマシンワークショップ」(日立製作所さんと共催)での講演資料です。

講演概要より:さくらインターネット研究所では、次世代のコンピューティング環境・コンピューティングインフラのあり方を常に探求し、先陣を切ってその実現を目指すため様々な研究評価を実施しています。この度、アニーリングシステムをさくらのクラウドにて評価しましたのでその結果についてお話いたします。また併せて、CMOSアニーリングの今後のさくらでの取扱の方向性について、また一つの適用実例として同システムをFogコンピューティングへ応用した事例について、ご紹介予定です。

資料のダウンロードはこちらからも可能です。

高遅延環境でのPercona XtraDB Clusterの振る舞い

こんにちは、さくらインターネットの鷲北です。

Percona XtraDB Clusterを試す という記事では PXC を構築して動作させる手順を示したわけですが、これを使って実験をしてみたいと思います。まずは背景について説明していきましょう。

背景

ゆううきさんエッジコンピューティングを生かしたウェブアプリケーションホスティング構想 という記事で、エッジコンピューティング環境下においてウェブアプリケーションがどのような課題をもつかについて論じています。そしてその中で、通信レイテンシ(遅延)の大きな(25ms-50ms)環境下においてデータベースが受ける影響について触れています。

本稿で取り上げたいのは、ウェブアプリケーションの構成パターンについて論じているところで示された、「3-tier構造をすべてエッジに配置、かつリーダーレスである構成」の例です。

ゆううきブログ 図1より一部引用

このようなリーダーレスなデータベース・クラスタを構成するには、PXCはうってつけと言え、環境を簡単に構築することができます。またさくらのクラウドは東京と石狩にゾーンを持ち、その間を繋ぐ回線もあって、比較的大きな遅延も実現(?)できます。上図を模した実験環境を再現することができるのではないかと考え、実行したのが本稿です。

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Percona XtraDB Clusterを試す

こんにちは、さくらインターネットの鷲北です。
もうずいぶん前になりますが、研究所ブログでは MariaDB Galera Clusterを試す(1)(2)(3) というシリーズで master/master 構成のデータベース・クラスタが簡単に組めるGalera Clusterというシステムを紹介しました。あれから6年が過ぎてしまい、システムはアップデートされているのに記事は古いままなので、ぼちぼち書き直すかということで、今回はPXC(Percona XtraDB Cluster)をご紹介したいと思います。

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データ流通実証実験の中間報告書を公開いたします

こんにちは、さくらインターネット研究所の菊地(@kikuzokikuzo)です。

さくらインターネット研究所では、NECさんと共同で、データ流通実証実験を2018年3月より実施しています。この度、開始後1年ということで、中間報告書を作成いたしましたので公開いたします。

データ流通実証実験とは何なのか、どのような内容なのか、また1年やってきた結果はどのようなものであるのかについては、中間報告書本文をぜひご覧いただきたいと思いますが、以下に簡単に要約しておきます。

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GitHubのbillingから開放された話

こんにちは、さくらインターネット研究所の鷲北です。

さくらインターネットはGitHub Cloud上にsakura-internetというorganizationを持っています。これは元々新しモノ好きの研究所が「一番乗りやー」と勝手に取ったorganization名だったのですが、「さくらのクラウド」を開発するときにコード管理をGitHubでやろうということになり、じゃあプライベートリポジトリを作れるようにと研究所予算で有償化したものです。なので2011年のプロジェクト発足以来、私が毎月カードの請求を精算していたのでした。さくらの精算事務は割に電子化されてますが、それでもGitHubのinvoiceのPDFをコピペしないといけなかったりして、それなりに面倒なもんですし、なんとまあ内部監査室が「退職した社員のアクセス権限はちゃんと管理しているんでしょうね?」と釘を刺してくるので「ええ、もちろん!」と答えた後に慌てて作った「社員名簿とorganizationのmember listを比較してヌケモレがないかチェックする、ついでにcollaboratorsの一覧も管理して監査がチェックできるようにするバッチ」で管理したりと、色々手間暇かかっていたりするのです。こういうのが大人の事情というものなのですね。

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