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停電時のデータセンターの対応

政府発表および報道等で皆さんご存知の通り、東京電力は地震の影響により発電能力が著しく低下し、計画停電を実施することを発表しました。これにより東京都においても1回3時間に及ぶ停電が発生する見込みであり、私どもも少なからず影響を受けるものと思われます。そこで今回は、データセンターにおいて停電が発生した場合、どのように対処するのかをご紹介したいと思います。

停電が起こったら

データセンターは大容量の電源を準備していて、サーバが収められているラックに供給しています。平常時であれば、商用電源すなわち電力会社から供給される普通の電力をサーバに給電する形となります。このような商用電源は24時間365日、常に切れることなく供給されるわけではありません。たとえばビル等の電気設備は定期的に点検を実施することが義務付けられており、その際は停電が発生します。あるいは落雷、洪水、そして今回のような地震の直接の被害により給電がストップすることがあります。さらには電柱にトラックが突っ込む等の事故によって停電することもあります。こうした被害を想定し、データセンターでは商用電源のバックアップとして発電機を準備しています。商用電源が止まった場合、ただちに発電機が起動して電力を発生させ、これをサーバに対して供給するのです。

しかしながら発電機は、ただちに電気を発生させられるわけではありません。発電機のエンジンをかけて回転が安定するまでの間、30秒から1分程度の時間がどうしても必要です。急に停電が発生し、ただちに発電機を起動しても、1分も電気が止まってしまったらサーバには致命的です。商用電源からバックアップへの切り替えは、停電時間ゼロで実現する必要があるのです。

そこでデータセンターでは、商用電源や発電機の回路を直接サーバやラックにつなぐのではなく、UPSを使って電力を供給するようになっています。

UPSとは

UPSはUninterruptible Power Supplyの略で無停電電源装置という意味です。一瞬たりとも電力供給を止めないようにするため、以下のような機能を備えています。

  1. 交流を直流に変える機能
  2. 直流電力を蓄えるバッテリー
  3. 直流から交流に戻す機能

UPSの入力には、商用電源や発電機を接続します。通常時は商用電源から電力を受け、これが停電した場合に発電機へ切り替えるスイッチを備えるようにします。すでに述べたとおり、発電機の起動には時間がかかりますから、これを待つ間バッテリーから電力を供給します。バッテリーからの電力は直流ですので、これを交流に戻してサーバ等へ流すことになります。UPS内部で直流にしている理由は、バッテリーへの充電が必要であるためでもあるのですが、入力からバッテリーへの切り替えが無停電で行えるという利点もあります。さらに、直流をインバータで交流にするため、電圧や周波数を一定に保つことができるというメリットもあります。

データセンターの回路模式図

発電機の能力

発電機はエンジンを回すために燃料を必要とします。データセンター用の発電機の場合、燃料タンクは設備の規模に合わせて大型のものを用意しますが、時間が長引くほど燃料を消費し、いつかはなくなってしまいます。燃料の備蓄を超えて停電が続く場合、燃料タンクに給油を行って運転時間を延ばすことができます。絶え間なく給油を続ければ、数週間でも発電を続けることは可能です。

東北地方太平洋沖地震の影響

今回の震災と、それに伴う計画停電の実施により、今後数週間に渡って、一日あたり3時間程度の停電が発生するものと見込まれています。これによりデータセンターはどのような影響を受けるでしょうか。

計画停電は、データセンターにとってはそれほど深刻な問題ではありません。というのも上記の通り、不意の停電に備えた設備がすでに整っているため、発電機やUPSをきちんとメンテナンスしている限り問題は起こらないからです。たとえば発電機ですが、弊社の管理するデータセンターでは定期的にエンジンを回して、起動と運転のチェックを行っていますし、燃料の残量も確認しています。ただ、今回は甚大な震災被害が発生していることもあり、平時の場合と異なる側面もあります。

第一の懸念は燃料の確保です。データセンターでは燃料供給に関して特別な契約を結び、非常時でも優先的に燃料を確保すべく努力しています。しかしながら今回のような甚大震災の場合、病院等のより重要な施設への優先的供給や、供給元での燃料の枯渇などの非常事態の可能性があります。ただ、今のところこれ以上の震災が新たに発生しない限り、燃料供給がストップすることはないと考えています。

第二の懸念は業務遂行上の問題です。残念ながらデータセンターの一般事務スペースでは、すべての機材に対してバックアップ電源を用意することができません。来訪受付を行う最小限の業務は行えるようになっていますが、エレベーターが停止したり、照明が少なくなったりというご不便をおかけすることがあります(懐中電灯を貸し出す準備をしています)。

おわりに

3月11日の地震発生時には、弊社データセンターでは機材や設備には異常は発生せず、すべて正常通りに動作させることができました。しかしながらビル防災センターにおいて、安全確認のためいったん戸外へ避難する指示が出たため、監視要員若干名を残して退避するという事態が発生しました。このため入局受付業務が行えなくなってしまうトラブルに見舞われました。今後予想される余震により、このような事態は再度起こりえるのですが、安全第一という観点から、場合によっては受付業務を停止させていただくことがあります。あしからずご了承いただければ幸いです。

3 comments to 停電時のデータセンターの対応

  • […] 停電時のデータセンターの対応 « さくらインターネット研究所 (tags: datacenter server earthquake) […]

  • レンタルサーバを利用させて戴いています

    本日3/16 11:00ごろ 私どものホームページhttp://amda.or.jp/に
    アクセス出来なくなりました

    30分程で復旧したかと思います

    何か原因がおわかりでしたらお知らせ戴けますと幸いです

    また、対応が必要な事項がございましたら連絡お願い致します

  • North

    山本様、大変申し訳ありませんが、当研究所ではお客様情報を取り扱っていないため、該当ドメインのサービス状況を把握し、お伝えすることができません。サービスの運用状況については、お知らせ・メンテナンスページがございますのでそちらをご覧いただくか、弊社問い合わせ窓口にご連絡ください。

    レンタルサーバをお使いとのことですが、メンテナンスのご案内はこちらになります。
    http://support.sakura.ad.jp/page/mainte/

    該当時刻には弊社で把握する障害・メンテナンスはなかったものと思われます。よろしくお願いします。

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